第36章

「どう思う?」

と望月安は神秘的な微笑みを浮かべた。

前田南は頭を振り、困ったように手を広げた。

「想像もつかないわ」

「君がコンテストに参加すると知って、応援しに帰ってくるつもりだったんだ。だけど飛行機が遅れて、会場に着いても遅すぎるだろうから、直接君を探しに来たんだ。それで、どうだった?何位になれたの?

」と望月安は笑顔で尋ねた。

前田南は笑って答えた。

「一位よ。これまでの努力が報われたってところかな」

「素晴らしいじゃないか。久しぶりだし、夜食でも食べない?」

望月安が誘った。

前田南は地面に倒れている男を見て尋ねた。

「この人はどうするの?」

「ただの小者さ...

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